コーヒーの主要栽培品種とその形態(アラビカ種のみ記述)
ここでは現在商業栽培の主流になっている“純粋アラビカ種“、“カネフォラ種“(ロブスタ種)、“アラビカ種とロブスタ種の交配種“のうち水工社で取扱のある純粋アラビカ種のみについて記述します。
1.ナショナル種
ブラジルに最初に移植された品種で、1727年に仏領ガイアナからブラジル北部に移植されたが病害虫に弱く生産性も低い.ブラジルでは在来種の意味で普通を意味するコムンとも呼ばれる.
2.ティピカ種
在来種といわれる古い品種で病害虫に弱く生産性が低い品種.
この名称はラテンアメリカだけで使用される呼称です.樹高が高く、若葉がブロンズ色で枝(水平枝)の節と節との間が広い.
3.ブルボンベルメーリョ種
1864年レユニオン島(旧仏領ブルボン島)で発見された事からこの名が付いた.ナショナル種、ティピカ種より樹高が高く収穫効率が悪いために、現在では少なくなった.枝(水平枝)の節と節の感覚が短い品種で、赤い果実が結実し豆は丸型.
4.ブルボナマレーロ種
3.の改良品種で生産性が高く、外観は似ているが受講はさらに高く、黄色の果実が結実する.
5.スマトラ種
インドネシアのスマトラ島で発見されたことからこの名が付いた.スマトラ島原産のこの品種は、ナショナル種より背丈が高く受精も良いが普及しなかった.
6.アルーシャ種
樹高が高く、枝が上を向いている.若葉はブロンズしている.
7.ムンドノーボ種
ムンドノーボ種は1943年にブラジルサンパウロ州(旧ノーボムンド郡)で発見された受講の高い品種であるが、ブルボン種とスマトラ種の交配種と言われている.ブラジルでは、カンピーナス農事試験場で生産性向上を目的に品種改良を重ね、ムンドノーボ種の中では、特にCP379-19,CP387-17e,
MP376-4,MP386-2の4種が多く栽培されている.(記号はムドノード種の改良品種番号)
8.セラ種(=ゼラ種)
1935年にブラジルのサンパウロ州アメリコデカンボス市で発見されたブルボン種の変異種.木の外観と果実はナショナル種にに酷似する味の良い品種であるが、手指が緑色ではなく黄色であったことから、多品種とのブレンドができないために普及しなかった.
9.カトゥーラベルメーリョ種
ブルボン種の突然変異種であるかトゥーラ種は、ブルボン種と同様の果実、種子を持つ樹高が低い矮小種で、受精が弱いために収穫量が多いとすぐに受精がよわってしまう特徴を持つ。密植型栽培に用いられている。
10.カトゥーラ亜マレーロ種
カトゥーラベルメーリョ種と同品種で、密植型栽培に用いられている。
11.かトゥ藍ベルメーリョ種
ムンドノーボ種とカトゥーラ交配種カトゥーラ種より生産性は良好で、赤い果実が結実する。樹高が低い矮小種のため収穫が楽な品種で、密植型栽培に用いられている。3年目から収穫可能で、生産性が非常に高いことからも普及している。
12.カトゥアイアマレーロ種
ムンドノーボ種とカトゥーラアマレーロ種の交配種で、黄色い果実が結実する。樹高が低い矮小種で、密植型栽培に用いられている。
13.パチュ種
ティピカ種の突然変異種で樹高が低い矮小種。高知栽培に適する。
14.ケント種
ティピカ種の突然変異種
15.アカイャ種
ムンドノーボ種の選別種
16.ブルボン系統種
[SL14},{SL28],[SL29],[SL32],[ジャクソン],[ミビリジ],[バーカス]樹高が低い矮小種
17.マラゴジッペ
1870年ブラジルのバイーア州マラゴジッペ市で発見された品種で、ティピカ種の突然変異種と考えられている。この品種は生産性が極めて低く、非常に大粒の果実、種子を持つのが特徴である。
コーヒー生豆までが出来るまでの加工方法について
ウォッシュドプレセス
コーヒーチェリーは果肉の薄いさくらんぼのようなものです。
果肉は機械を使って取り除けるのですが、タネの周り、さらにネチネチしたミューシレージと呼ばれるもので覆われています。このネチネチしたもののために水を使うのです。果肉を取った状態で、水に浸けて、1日から1日半置いておくと、このミューシレージが勝手に酵素を出して、自分たちで分解していきます。(発酵します)
分解されると、コーヒーの種とその周りの硬いからで覆われた状態になります。これをパーチメントと呼びます。この状態で乾燥させるのが、ウォッシュドプロセスです。
味の特徴は、果実を思わせる特徴的な風味の味わいではなく、酸味があり、雑味や苦味が少ないクリーンな味わいになることが多いです。
ナチュラルプロセス
コーヒーチェリーをそのまま乾燥させるので、果皮も果肉もミューシレージもついた状態で乾燥して、カラカラになった状態で、コーヒーの種を取り出します。
味の特徴はコーヒーの果肉の甘さや風味がコーヒーの種に移り、トロピカルフルーツや赤ワインのようななどと表現されるような独特な風味や甘さをもったものになります。
スマトラ方式
まずウォッシュドプロセスのように果肉を取り除きます。このミューシレージがついたまま一旦乾燥させます。完全に乾燥させるのではなく、軽く乾燥してきたら、コーヒーの種を覆う殻を取り、コーヒーの種の状態にします。そして再度、コーヒーの種のまま乾燥させます。
タネだけにしてしまうことで乾燥させる時間を最短にします。
味の特徴はマンデリンがスマトラ式ですが、大地を思わせるような(earthy)土っぽい、と表現されますが、このプロセスからこの味の特徴が出ることが、不思議ですね。
ハニープロセス
ハニープロセスでは粘液質除去機という機械で取り除きます。その時に、ミューシレージを少し残しておきます。ミューシレージが残った状態で乾燥させることで、果実としてのコーヒーチェリーが持つ果実感をコーヒーに残してあげます。
味の特徴は、コーヒーの果肉の甘さや風味がコーヒーの種に移り、コーヒーとしては甘さや深み、複雑さが増します。
ホワイトハニー ウォッシュドプロセスに近いもののようです。
ブラックハニー より高糖度のチェリーによって作られます。
イエローハニー ミューシレージが半分残った状態で乾燥させたもの
レッドハニー ミューシレージがほとんど残った状態で乾燥褪せたもの
コーヒーの中のカフェインてどのくらい入ってるの?
一概には言えないですがおよそ、120ccのコーヒには60-120mg程度のカフェインが含まれてます。
煎茶は120ccでは20mg程度。
紅茶は120mgでは30mg程度。
淹れたコーヒーが酸っぱくなっていくのはなぜか?
焙煎豆に多く含まれるキナ酸ですが、酸味の増強効果も高いのです。そのキナ酸は酸味を示すものと、酸味につながる部位が隠されていて酸味を示さないものとがあります。淹れたコーヒーが酸っぱくなっていくのは、熱湯中で酸味を示さないタイプのものが徐々に腕を程位始めることが原因となっています。
生豆のカフェインレス、デカフェってどうやって作るの?
スイスウォーター式
生豆に含まれるカフェイン以外の水溶性の成分を飽和するまで溶かし出して置いた水を処理に使用します。
この水に漬けられた生豆からは、水に溶け出しやすいアミノ酸、小糖類、クロロゲン酸類が溶け出そうとしますが、すでにこれらの成分は飽和しているので、溶け出すことができません。一方、カフェインは処理する水に含まれていないので溶け出せます。ただしあまり溶け出せないので、何度も繰り返し漬けることで少しずつ取り除いていきます。カフェインの溶け出した処理水は活性炭で濾過してカフェインを取り除いて再利用します。
ミネラルウォーターをコーヒーを美味しくするのでしょうか?
コーヒーをミネラルウォーターで淹れるとコーヒーの味が変わることがあります。
これは水のpHの影響です。pH(水素イオン指数)とは、水溶液の酸性またはアルカリ性の強さを表す数値です。水が25℃の時は7が中性になり、7より大きくなるにつれてアルカリ性が強くなり、酸を打ち消す力が強くなります。
コーヒーはpHが5-6程度の低酸性飲料飲料ですですが、pHが7を超えるアルカリ性の水を
使って淹れると、phが弱まります。
pHの数値の大きな水を使えばコーヒーが美味しくなるわけではありません。普段飲んでいる酸味が強くて気になっている人なら、pH7を超えるミネラルウォーターで淹れるとマイルドになって美味しいと感じます。普段飲んでいるコーヒーに満足している人が同じミネラルウォーターを使った場合は、“味がぼやける“と感じます。